司馬遼太郎作品は全ておすすめしたくなるほど面白く、
気に入った作品は何度も読み返してしまいます。
その中でも江戸時代末期、いわゆる幕末以降を取り上げた作品が
最もおもしろく、時代という観点では発行部数ランキングトップ10のうち
約7割がこの時代の作品になってるんですよね。
これまで読んだことがない方へは、
迷うことなく幕末以降の時代を取り上げた作品をおすすめしますが、
その中でも、この記事では
「この順番で読んだら面白さ倍増」
という観点でおススメ作品をご紹介したいと思います。
司馬遼太郎作品のおすすめは? 読む順番と作品
司馬遼太郎のおすすめ作品のうち、幕末以降の時代を取り上げた小説をご紹介しますが
これに「読む順番」という観点を加えると以下のようになります。
読む順番 | 作品名 | 発行部数 |
0 | 関ケ原 | 520 |
1 | 竜馬がゆく | 2,125 |
2 | 世に棲む日日 | 445 |
3 | 酔って候 | 番外 |
4 | 燃えよ剣 | 500 |
5 | 新選組血風録 | 番外 |
6 | 人斬り以蔵 | 番外 |
7 | 翔ぶが如く | 1,070 |
8 | 坂の上の雲 | 1,475 |
9 | 殉死 | 番外 |
歴史小説なだけに、基本的に歴史の古い方から順番に読んでいくことで、
予備知識や基礎知識が頭に入った状態で次の歴史を読むことができます。
そういった意味で、最も基礎となる「関ケ原」を最初の読みものとしましたが、
3巻ありボリュームもあるのと、
これを読まずともその後の小説において最低限必要な時代背景と経緯が随所に入ってますので、
無理であれば読まなくてもいいと思います。
また、3「酔って候」から6「人斬り以蔵」までは、
幕末の動乱をお殿様、新選組などの観点から補完し理解を深められる作品になってますので、
お好みで順番を変更してもいいと思います。
ただ、7「翔ぶが如く」については明治維新後の時代であり、
幕末の動乱が色濃く影響しているのと、
明治期の8「坂の上の雲」以降も流れがありますので、
この辺の順番は変えない方がいいと思います。
それではネタバレに注意しながらそれぞれの時代背景とおススメポイントを解説致します。
司馬遼太郎作品のおすすめその1 竜馬がゆく
司馬遼太郎を代表する大作で、非常に読みやすい作品です。
坂本竜馬が生まれてから暗殺されるまで、
その時々の竜馬の感情や考え方などを緻密な取材で裏付けながら、
しかもそれを全く表面に出さずに竜馬像を完成させており、
その竜馬に感情移入してしまいます。
竜馬を通じて幕末の動乱から維新前夜までを網羅的かつ面白く読むことができ、
最初に読む小説として最もふさわしく、おすすめします。
司馬遼太郎作品のおすすめその2 世に棲む日日
これが最初に読む本か迷ったのですが、
面白さという点で次点となりました。
維新の立役者となった長州藩の波乱に満ちた幕末を、
吉田松陰や高杉晋作を中心に描いております。
こちらも竜馬がゆくの後で(もしくは前に)読むことで、
また違った観点から幕末の動乱期を網羅的に面白く読むことができますよ。
司馬遼太郎作品のおすすめその3 酔って候
いわゆる「四賢候」と言われた
土佐藩、伊予宇和島藩、薩摩藩、肥前鍋島藩の4人の藩主の観点で
幕末の動乱期を見ており、
「竜馬がゆく」と「世に棲む日日」を読んだ後で、
新たな発見があるのと、奥行きがでると思います。
司馬遼太郎作品のおすすめその4 燃えよ剣
こちらは、幕末一大勢力を持った新選組の結成から、最後まで戦い抜いた土方歳三の生涯を、
近藤勇をはじめとする当初のメンバをちりばめながら描いてます。
いいか悪いかではなく、自分の信じる道を貫き通す生き方に感動を覚える名作です。
司馬遼太郎作品のおすすめその5 新選組血風録
新選組の血なまぐさい短編集です。取材に基づいた当時の風習や新選組の鉄の掟、
有名な襲撃事件など臨場感のある描写に圧倒される名作。
新選組ひとりひとりの人物像が分かるのも魅力です。
司馬遼太郎作品のおすすめその6 人斬り以蔵
表題となっている暗殺者の物語をはじめ、幕末という変革期で陰に陽に活躍した人の短編集。
善悪ではなくこの時代を生きた人たちそれぞれの思いや背景が鮮やかに分かり、
こちらも幕末の動乱期を別の角度から味わえる作品です。
司馬遼太郎作品のおすすめその7 翔ぶが如く
明治維新を実現した立役者である
大久保利通と西郷隆盛のその後の人生を中心に描いた作品。
それぞれの理想と現実、守るべきもののために、
かつて仲間だった者たちが戦争という形で雌雄を決し、激動の時代が終わります。
司馬遼太郎作品のおすすめその8 坂の上の雲
維新後の日本が経験する列強との戦争。
司馬遼太郎の取材によって日清日露戦争が具体的に描写されており、
個人的には日露戦争における旅順攻略が印象に残った大作です。
登場人物の一部は「翔ぶが如く」でも活躍してます。
司馬遼太郎作品のおすすめその9 殉死
激動の明治を生きた乃木希典の殉死について考えさせられる作品。
「坂の上の雲」を事前に読んでおくことで、乃木希典の苦悩や人柄に触れることができますよ。
まとめ
本記事では、司馬遼太郎のおすすめ作品のうち、
幕末以降の時代を取り上げた小説を「読む順番」という観点でご紹介してきましたが、
改めて以下のようになります。
読む順番 | 作品名 | 発行部数 |
0 | 関ケ原 | 520 |
1 | 竜馬がゆく | 2,125 |
2 | 世に棲む日日 | 445 |
3 | 酔って候 | 番外 |
4 | 燃えよ剣 | 500 |
5 | 新選組血風録 | 番外 |
6 | 人斬り以蔵 | 番外 |
7 | 翔ぶが如く | 1,070 |
8 | 坂の上の雲 | 1,475 |
9 | 殉死 | 番外 |
「竜馬がゆく」から読むのが一番入りやすいと思います。
読んで損はないですよ! ぜひこの順番でお試しあれ!
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