職場のハラスメントって具体的にはどんなの? 新社会人必見の【5つの判例】

職場のハラスメントって具体的にはどんなの? 新社会人必見の【6つの判例】

「後輩にハラスメントしてないかな?」
「あれってハラスメントじゃないの?」
「自分が受けてるのってハラスメントじゃないの?」

ハラスメントは理解しといたがいいよ

そんなあなたに職場のハラスメントを調査しました。

職場のハラスメントとは

ハラスメントとは、一般的に「ひとを悩ますこと。地位や立場を利用した嫌がらせ」を意味します。代表的なものとして以下3つがあるのは皆様もご存知ですね。

  1. パワーハラスメント(パワハラ)
  2. セクシュアルハラスメント(セクハラ)
  3. マタニティハラスメント(マタハラ)

その他、アカデミーハラスメントや、アルコールハラスメント、スモークハラスメントなど色々ありますが、この記事では職場のハラスメントの代表格として主にこの3つを深堀していきます。

パワーハラスメントについて

パワーハラスメントについて

厚生労働省はパワハラを以下のように定義してます。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」

また、パワハラに該当する行為としては以下6点を典型的なものとしてます。
①身体的な攻撃
②精神的な攻撃
③人間関係からの切り離し
④過大な要求
⑤過小な要求
⑥個の侵害

順にみていきましょう。

①身体的な攻撃

暴行、傷害のことです。

使用者(上司)は従業員(部下)に対する一定の指導・教育を行うことが認められていますが、身体的な攻撃はその意味でとらえることはできない行為であり違法です。

JR西日本吹田工場事件では、被害者の全治5日の擦過傷傷害に対して、治療費に該当する2,465円の損害賠償責任が認められてます。

JR西日本吹田工場(踏切確認作業)控訴事件 判例 女性就業支援バックアップナビ (mhlw.go.jp)

②精神的な攻撃

脅迫、名誉棄損、侮辱、暴言などです。

通常であれば業務の遂行に必要な行為ではないため、原則として業務の適正な範囲を超えるものとされてます。

ヴィナリス事件では、精神を病んだこととその病の重篤化が、上司の言動と因果関係がない中でも、それでも上司の言動がパワハラにあたるとして80万円の慰謝料が認められてます。

www.wa.commufa.jp/ipa2lxa/vinariusjiken1.pdf

③人間関係からの切り離し

③人間関係からの切り離し

業務場所の物理的な隔離や、仲間外し、無視のことです。

これも同様に通常であれば業務の遂行に必要な行為ではないため、原則として業務の適正な範囲を超えるものとされてます。

一例としては、会社からの配置転換命令に従わず組合との調整を要求した従業員から仕事を取り上げたり嫌がらせをするなどがあります。この仕事の取り上げが不法な動機と認められる場合は違法となり罰則の対象となります。

④過大な要求

達成することが不可能なノルマを課し強制することです。
また、業務上明らかに不要なことや仕事の妨害をすることです。

日本土建事件では、新入社員に対する上司からの身体的・精神的な攻撃に加え、違法な時間外労働を強制した点が問題となり、75万円の慰謝料が認められました。

日本土建事件 : Quot. (blog.jp)

⑤過小な要求

業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないことです。

エルメスジャポン事件では、高度な専門性を持つ従業員の配置転換は不法行為であることが認められ、50万円の損害賠償が認められました。

IT技術者→倉庫係へ配転したことは,人事権濫用に当たり無効である~エルメス・ジャポン事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸) (ameblo.jp)

⑥個の侵害

私的な交際等に干渉することです。
従業員同士の交際であっても業務に具体的な障害が発生しないのであれば、これに干渉することは「個の侵害」を生じる可能性があります。

ダイエー事件では、個人の住居に関する明け渡し問題に会社が干渉したことが許容できる範囲を超えたものであるとし、30万円の慰謝料を認めています。

【第42回】 「部下の私的な生活範囲に対する会社上司の関与が不法行為にあたると判断された事案」 ― ダイエー事件|裁判例を検索しよう|裁判例を見てみよう|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト- (mhlw.go.jp)

セクシャルハラスメントについて

セクシャルハラスメントについて

セクシャルハラスメントは、法律での定義はありませんが、一般的に
「相手方の意に反する性的言動」または「性的な嫌がらせ」とされています。

具体的に注意・留意すべき点として、以下国家公務員の規律における「セクシャルハラスメントになり得る言動」が非常に分かりやすいです。

① 性的な内容の発言関係
1.性的な関心、欲求に基づくもの

  • スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題にすること
  • 聞くに耐えない卑猥な冗談を交わすこと
  • 体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」「もう更年期か」などの発言
  • 性的な経験や性生活について質問すること性的な噂を立てたり性的なからかいの対象とすること

2.性別により差別しようとする意識等に基づくもの

  • 「男のくせに根性がない」「女には仕事を任せられない」「女性は職場の花でありさえすればいい」などの発言
  • 「男の子、女の子」「僕、坊や、お嬢さん」「おじさん、おばさん」などと人格を認めないような呼び方

② 性的な行動関係
1.性的な関心、欲求に基づくもの

  • ヌードポスター等を職場に貼ること
  • 雑誌等の卑猥な写真、記事等をわざと見せたり、読んだりすること
  • 身体を執拗に眺め回すこと
  • 食事やデートにしつこく誘うこと
  • 性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙・メールを送ること
  • 身体に不必要に接触すること浴室や更衣室等をのぞき見すること

2.性別により差別しようとする意識等に基づくもの

  • 女性であるというだけで職場のお茶くみ、掃除、私用等を強要すること

マタニティハラスメントについて

マタニティハラスメントについて

マタニティハラスメントは、法律で定義されたものはありませんが、一般的に妊娠・出産・産前産後及び育休等を理由とした不利益な取り扱いのことをいいます。

厚生労働省・都道府県労働局「リーフレット:事業主向け」が分かりやすく以下にご紹介いたします。

<以下のような自由を理由として>
妊娠中・産後の女性労働者の・・・・
・ 妊娠、出産
・ 妊婦健診などの母性健康管理措置
・ 産前産後休業
・ 簡易な業務への転換
・ つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働能率が低下した
・ 育児時間
・ 時間外労働、休日労働l、深夜業務をしない

子供を持つ労働者の・・・・
・ 育児休業
・ 短時間勤務
・ 子の看護休暇
・ 時間外労働、深夜業務をしない

<不利益取り扱いを行うことは違法です>
不利益取り扱いの例
・ 解雇
・ 雇止め
・ 契約更新回数の引き下げ
・ 退職や正社員を非正規社員とするような契約内容変更の強要
・ 降格
・ 減給
・ 賞与等における不利益な算定
・ 不利益な配置変更
・ 不利益な自宅待機命令
・ 昇進、昇格の人事考課で不利益な評価を行う
・ 仕事をさせない、もっぱら雑務をさせるなど就業環境を害する行為をする

まとめ

いかがだったでしょうか?
あなたや、あなたの身の周りの方々に当てはまった点はなかったですか?
もし「あれってハラスメントかな?」と少しでも思ったらすぐに周囲に相談してくださいね。

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